牡蠣の人の顛末転始
※この作品はフィクションであり、実在する、人物・地名・団体とは一切関係ありません。
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「モンハンはシリーズ通しても、万枚だした人はいないんすよ。この店はじまって結構たちますけどね」
あとちょっとで万枚イケないあたり、俺っぽくていい。とはいえ、ついさっきまで残金・・財産と呼べるものが5000円しかなかったことを考えると、一気に17万は嬉しい限り。
こないだのね、例の新年会の会場の名前が「7」っていうんですよ。その隣のホテルがたまたま1800円という特価で泊まれたので、そこが新年会の会場になったっていう寸法。
7の隣のホテルで「人」に戻り、7で身内だけ集めて新年会して(人類とまた交わっていけるか)「愛」をたしかめ、7の隣で「金」を得る。まさに「777(スリーセブン)」
死にかけたし、ココロもカラダも病んだからか、母の「帰らなくてもいいから、帰れるところつくりなさい」という言葉が急に重くのしかかる。誰か「いい人」がいればね・・って事でとりあえずの金も入ったし、1/6、1/7とそういった活動に勤しんでみた。
ちょうどその母の誕生日が1/8。もしいい人がいたら、そこにサプライズプレゼント?として連れて行ってもいい。。とか思ってたが、いきなりは重過ぎたらしい。待ち合わせにあらわれないどころか、返事もこなくなった。
所詮、御縁がなかったってこった。まぁ、文無し家なき子が、愛する母に3万そこそこのプレゼントを買えただけええわな。
そもそもさ、ちゃんと家があって金があって、そこに「一般的にいう幸せ」があったとしてもさ、なんか生み出せるかっていうとそうでもないのよね。
どっちかっていうとね、戦争とかしててさ、命からがらなんとか不時着した無人島でなにかが生まれたりする。そして、彼はもうベストセラー作家になったのに、それでもまた戦闘機に乗る。金も名声も捨てて、わざわざ志願して帰らぬヒトとなる。結局、なにが幸せかなんて目に見えないものなんだよ。
てゆうかね、もうこの作品が俺を必要とする限りは、俺は死なないし、こうやってスロットも勝っちまう。なんの話だかわからんよね。脳トレつくったときに「暗示」というテクニックを学んでるのも、これまた因果のひとつで、ここに帰結するための布石だったのかな、とかね。
暗示。この5000円、スロットで負けたら「逝きます」って。どうせ出ちゃうんでしょ?とか思っててもダメなんすよね。
このスロットで大勝ちしてたから行けなかったけど、15時からとある打ち合わせ?があった。海をキレイにする件で一緒に組んでる御国の御方に呼ばれて。でもどうやら、この日は例の「全面出荷停止」の件で相談したいことがあるって感じだった。やたらと言葉を濁す。
(環境改善にはやっぱ国の許可とか予算が必要で。そんな俺の弱みにつけこんで、騙す感じで呼び出すこと自体、カンベンしてほしいわ)
そりゃそうだよね、ヤツらもともと俺を殺そうと躍起になってた・・なってる?わけでさ。それをいまさら助けてって虫が良すぎる。ってその担当は勝手に思ったんだな。
スロットで勝ってて行けないです。ってちゃんと伝えたよ。ポイントは「それと対策はあるんでメールしときます。」だけどね。
でもね、担当が勝手におもってるだけで、俺からするとさ、逆に称賛してるんだよ。だいたいが、全海域でノロでてるわけだし、それをいままでみたいに「何食わぬ顔」で出荷してたら、またとんでもない被害になってたわけだ。またたくさんの牡蠣ファンが減るとこだったわけで。それを悔い改めて正直に発表したわけだから水際で防げたわけやん?(ぢゃなきゃ、俺がメディアをあげて叩いてたかもしれないけどね)
全国ネットでの「牡蠣うんち」発言で数十億、今回の「全面出荷停止」でも数十億(向こうが勝手に試算してるだけだけども)さんざん応援してきた生産者に「こいつは口ばっかで1500万も売り切らん!」というのが罵詈雑言でないとするなら、俺はヤツらにとってただの疫病神、、いや死神ってとこだ。
ドラゴンのタトゥーをいれた女子が活躍する小説で世界的に一世を風靡した作家がいた。そもそも人種差別や極右と戦うメディアを若くして立ち上げて活動してた人らしく、そのベストセラーを書き上げたのはその果ての50歳を目前にしたときらしい。こんな記述がある・・
「90年代半ばにエクスポ誌を創刊し、ネオナチや極右勢力と闘った。殺すと脅迫されることは日常茶飯事だった。国民の尊敬は集めたが、生活はいつも苦しかった。」
「こんな生活を続けていたら長くないことは、彼にも分かっていた。だから、保険をかけるみたいにミステリーを書いた」と、エクスポ誌の現編集長ダニエル・プールは言う。「まとまったカネが入ったら引退するつもりだったろう」
だが彼は、出版を待たずして、そのわずか一か月前にこの世を去る。
「残念ながら、その金は不要だった。1カ月後、心臓発作で急死したからだ。まだ50歳で、『ミレニアム1』の出版も間に合わなかった。しかしラーソンの死後、世界で数千万人が『ミレニアム』シリーズを読んでいる。サランデルに魅了され、彼女が住んでいるという設定のアパートを訪れるファンは後を絶たない。」
この作家の話やその後の莫大な遺産がどうなったかとかは、調べればネット上に売るほど情報があるから、気になる方は各々調べればいい。ちなみに出典はこのニューズウィークの記事。伝えたいのはそこではない。
誰かを糾弾するってことは、逆にこっちもやられるってことだ。そして、すぐに愛する者を狙う。俺がキチ○イのクソ野郎だって?カンベンしてくれ。それならお前らは下品なゲス野郎だ。つまりはそんなお下劣な戦いになっちまう。
口惜しさや憎しみをバネに牡蠣で勝負するか、直接俺を殺しに来ればいいのに、怖がってこなかったり、ましてや殺せないとわかると、仲間や弟子たちを集めてわめき散らしたあげく、「あいつの実家はどこだ!」って騒ぎ立てる。最悪だろ?でもいつもそうなんだよ。そういうもんなんだよ。
だからこその「文無し家なき子」。社会的に死んでるヤツはもうそれ以上殺せない。世が世ならもう逝けてたろうよ。でもいまの時代、そうはならない。だから物事はさらに複雑に殻みあってしまうのだけど。
そもそも、俺が10年も前に「俺なら世界を変えられる」とか調子に乗っていろんな絵図を描いちまったことが原因だ。自分のことすらままならないのにな。「オイスターワールドドリーマーズ」という原作をカキあげ、それをもとにいまのゲームをつくった。
たまたまデイドリームビリーバーが鳴ってたってだけで、そんな仮題をつけちまうような、そんなテンションで描いた。そんな作品がいまやいろんな人間の人生を左右しちまってる。
全面出荷停止。ある意味、無条件降伏に等しい。ステージチェンジ。革命は終わった。こっからはただの弱いものイジメだ。こないだまではチリに等しく、殺される側だったのね。
とはいえ、明治維新の首謀者たちはみな次のステージ(時代)に生き残れず消えて逝った。大事なのは革命のあとだ。革命自体は意外と誰にだってできる。
こっからは俺が天才だってことをわかりやすく証明するか、十字架にかかるか。暗殺はしてもらえない。「あんなすごい人が降臨してくださってたのね」と関わったすべてのプレイヤーの溜飲を下げさせる。か、さっさと逝って、それなりに役には立ったよね、と牡蠣の人から過去の人になるかってこと。
残念なことに、この作品はもう因果律を超えちまった。作品をつくってたつもりが、作品につくられるようになった段階で、そのすべてがこのシナリオに帰結するようになる。10年も前に描いたシナリオはある日を境にそうなってしまった。
最近ぢゃ、あえて逆に動いて、強引にもとのスジに戻されるのをわざわざ味わって悦にいったり。それが周りにいるヤツらには奇跡だったりファンタジーに映るときもあるみたいだが、オレからすりゃ、膨大な伏線と布石の果てだ。もう「そうなる以外に道がない」ってだけのこと。
いつのまにかそんな作品になってた。たかだか「ノロで客がこないで困ってる。どうにかできないか?」って呑みの席での相談されただけだったのに。なんでもできる。なんでも叶えられる。そしてなにが怖いのかさえわかっていなかったあの頃。
もうどうあがいても本筋を覆せないのだとしたら。だとしたらだ。天才であることをわかりやすく証明した上で、その成果を受け取れないまま十字架に架かるっていう・・まるでそのスウェーデンの作家のように逝くのが一番美しいオチなんぢゃないかって。それはちょっと欲張りすぎかね。どうだろう?
でもね、もやはそれは俺にとってどうか?というだけのことであって、もうこのゲームは誰にも止めることができない。つくった俺でさえ。俺が死のうが活きようが、もはやそれはちょっとしたスパイスでありエッセンスのひとつにすぎない。
さつき残金を確認したら、愛する母にプレゼントを渡しメシをおごったところで、現金15000円。PASMO4500円、口座に10000円。計3万円弱。
家なき子は家なき子だけど、全然、文無しちゃうやんね。
2016-01-09
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