牡蠣の人なりの節分

character design by Koji Takeuchi

「鬼は外!蠣は内!」

この鬼「カキまき〇もん」はなかなかいいヤツだった。

突然の立ち退き勧告にも関わらず、なんの文句も云わず出て行ってくれた。

それどころか、牡蠣をほしいという願いまで叶えようと、牡蠣を投げてくる。

追い出されてしまったから、もう投げつけるしかないと思ったのだろう。そんなに知能は高くない。

投げつけてくるのは殻付き生牡蠣。生きている大切な牡蠣だ。落とすわけにはいかない。

必死にキャッチする。痛い・・痛いよ、カキまき〇もん・・

そんな思いをしてまで掴んだ牡蠣を歳の数だけ食べる。

それが毎年恒例の牡蠣の人なりの節分だ。

ちなみに、この鬼、カキまき〇もんは、忘れたころにいつのまにか家の中に戻ってきて、また節分を迎える。この繰り返し

※この話はフィクションです。なぜなら牡蠣の人は家なき子だからです。

2017-02-03

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